無料で楽しめるちょっと大人のケータイ小説

「なにソレ？　意味、わかんないよ」

「ハハ、そうか？」

「それに、カッコつけた気でいるみたいだけど、全然カッコよくないからね」

　それはやや痛いところをつかれた気がして、俺は苦笑を浮かべる。

「ハハ、うるせーよ」

　そんな風に不機嫌を装い、憎まれ口をきいてみたところで――。

　真だって――本当は、わかっている。

　ここで肉欲に溺れることは、間違いなく俺たちの関係に微妙なケチをつけることになるだろう。漠然とした想いではあるものの、それを後に悔いることを俺はしたくはなかった。

「はあ……」

　真は最後に、そうやって深いため息を吐く。そして――

「もう……わかったから」

「ん……？」

「そんなに邪険にするのなら、オジサンの望み通り出てってあげる」

「真……」

　それは、わかりきっていた別れであり、俺は覚悟してきた――はず、だったが。

　改めて真からそう切りだされた時に、一気に去来する寂しさに、俺の心は少なからず無防備だったのかもしれない……。