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ほんとのうた(仮題)

第14章 (仮題)



  名も知らない公園のベンチは どこか冷たくて

  この心を一体 どうしたらいいの?

  誰も触れてはくれない みじめな捨て猫みたい

  その時にあなたは 私を見つけてくれたんだよ

  視線を合わせることが 出逢いの始まりというのなら

  なにも予感させない これもありふれた出会い、だよね?

  だけど本当はね 泣き出しそうなくらいに

  私は心の底から ホッとしてたんだよ 


  なにも知らない私は いつも答えを知りたくて

  この絆を一体 なんと呼べばいいの?

  誰も上手くは操れない 難解な気持ちなのか

  あの時にあなたは 深々と私に刻みつけてた

  唇を重ね合わせることが 愛の始まりというのなら

  なにも特別ではない これもありふれた男女の形、だよね?

  だけど本当はね 叫び出しそうなくらいに

  私の全身が ぎゅっ、と欲してたんだ


  「大好き」 「愛してる」

  「ありがとう」 「ごめんなさい」

  どう言えば、この想い 残さずに伝えられたんだろ?

  どれも足りないから 私は裏腹に言うの

  「大っ嫌い」と……


  空回りが切なくて 私はせめてこの拙い唄を唄うよ

  これが今 私の【ほんとのうた】――だから

  どこまでも いつまでも 届けたくて


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