無料で楽しめるちょっと大人のケータイ小説

　あんなのと一つの部屋にいて、常に理性を保つのは難しいように思える。いや、はっきりいって無理だ。

「そっか……いっそ、外に連れ出してしまった方が……」

　アレコレ考えた末に、俺はなかなかナイスなアイディアを思いついていた。あのアパートの狭い部屋で、わちゃわちゃしてるから妙な展開になるのである。

　そろそろ昼食時。戻ったら「飯でも食いに行くか」とでも誘えば、あの空腹女子はホイホイと着いてくるはずである。そうして車に乗せたが最後、そのまま有無を言わさずに、東京まで運んでしまえばいいのだ。

　途中で不審に思った彼女は、文句を言い出すかもしれない。だがハンドルを握ってる俺に対して、無茶な抵抗をするような真似は、流石にしないだろうと思う。

　後は大人しくなった頃を見計らって、帰る気になるように説得してやればいいのだ。幸い東京までの道中、時間ならタップリとある。今日一日を潰すことになってしまうが、それはもう仕方ないと諦めた。

　あーあ、面倒事はさっさと片付けて、明日はハロワに行かないとな……。

　俺は些か憂鬱な気分になりながら、厄介ごとのまつ自分の部屋へと戻って行った。