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サムライダー

第2章 ミオside

マサオと呼ばれてる高校生3人組の1人が仲間のレブルという小型のアメリカンバイクに乗ってあとを追う。



キキッ



急停止した先にあったのは横転したパトカーだった。2次追突らしくサムライダーを追跡するパトカーと津血ノ呼の車がぶつかりあったのだろう。ガードレールにパトカーが猛スピードで突っ込んだあげくに横転したようだ。



「ヒェ〜どーなってんだコリャ」



マサオと2人乗りで駆けつけた背の低い少年が思わずつぶやいた。



「キサマら全員タイホだあ!」



お巡りもきまりが悪いに違いない。捕まえるつもりの自らが事故ったのだから。津血ノ呼の総長の胸ぐらをつかみながら叫ぶ。



「パトカーは一方通行逆に走っていいってのかよ」



総長はそう主張する。上の言ったことには必ずや従うのが彼らの決まりだし。舎弟たちも



「総長に続け」



とばかりに見失うまいと追いかけるのに必死なあまりにパトカーと衝突した模様だ。あたりは騒然としていて



「くそォもうカンベンできねェ」


「やっちまェェ」 「殺せ」


「救急車が先だあ」



事故った者同士で乱闘が始まった。お巡りと掴みあう族、族同士で乱闘してたり、仲間の加勢に加わる者。事故ったときの恐怖に泣きそうなのもいる。



なかには怒りに我を忘れた友人を止めに入る族もいるけど。大半はお巡り数人と揉み合いになってたり、様子を見てるだけな人も何名かいた…。



「うひょ〜すげすげ見ろよマサオ!」



…チビ男子は興奮してはしゃぐ。総長はお巡りにまっ先に食ってかかったからだろう。何かを言い争ってる、警官2人も警棒を使い顔や腕にすり傷を追いながら彼を取り押さえてた。



一方サムライダーはお巡りと族をものともせず興奮覚めやらずといったご様子で



ウォンォォォォ オオオオオオオオオ



「サムライダーだ 戻ってきたぞォ」 「ひょう」 「カックイ〜〜」 「ピーッ」



ここまでくるともしかするとサムライダーはまだまだ遊び足りないのかも。そう言いきる証拠にウイリー走行をやじ馬たちとは少し離れた車道でやってのけてたし。



…男ってつくづくお祭り騒ぎが好きなんだなあ…。ほんとーにそう思った。



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