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サムライダー

第1章 グチ

「ちがいます。沢村と睨みあってたあなたに見いられたんです」



…どうやらマジらしいが。沢村もライダースジャケットもじったみたいなカッコ、オレはハーフメットに牛の角つけてる。そんなのに惚れるってどんなセンスだよ…。


「…あのなあ」


「えっ?は、ハイ!?」


今朝は今年一番の寒さなのによく待ってられたな。


なんでだかコイツの言うことをもう少し聞きたくなった。



「…オマエの言うこと手紙に書け。住所は沢村に聞け」



「ハっハイ、死んでも書きますッ!」



オマエそこでカクゴ決めんのかよ…。そうミオというオンナに告げて東京の家に帰った。1ヶ月たって退院できたしで学校へ向かった。



登校中の同級生のヤツらとかに会ったりしながら教室につくと



「おう、田村(オレ)やっと来たかよ」


「オヤビンの退院だぜ」


「お疲れさまッス!!」


「ご苦労様ッしたあ!」



…な、バカばっかだろ。これだからヤロー校はうるせえったらありゃしねえ。コイツらにバレたらぜってー騒ぐに決まってるしよ。さっそく好奇心旺盛なヤツが話しかけてきた。



「よお、しかめ面してなんかあったか?」


「もともとじゃね?」



……かといっていきなりオンナに告白されてワケわかんねえとは…。だがほかに相談できるヤツは見当たらねえ


「実はよお、沢村と札幌で決闘したんだ」



「アイツ、ハンパなく強いのにかよ?」



「オマエ、こりねえなあ」


「そうそベンキョはいいのかよ」



あきれたようにクラスのマジメなのが口走る。うちの学校では沢村とオレの寄るとさわるとガチリあいしがちなのを知らないのはまずいなかった。



それだけじゃない、沢村は2年や3年ともケンカしていた…。とはいっても立ち回りのうまいコイツに返り討ちをくわされた先輩がたが



「お前が沢村か、1年のクセしてふざけやがって、カオかせや!」



「ハイハイ、カオ貸す、カオ貸す……でどこ行く?校舎裏?屋上?」



…だが軽傷を負いあいさつしてたのは2年や3年の先輩がただった。



「結果はドローにしてやった、そのあとだ」



「なんだよ、はやく言えよ」


「…沢村のオンナ友だちに一目惚れしたって言われた…」


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