触って、七瀬。ー青い冬ー
第13章 愛の嫉妬
七瀬が泣いている。
翔太の声はしない。
「っ…、っい」
「七瀬?おい」
すすり泣く声に、何か言葉が混じっている。
翔太はどこ行った。
まさか、
放置プレイとかじゃないだろうな…
「っう、う」
七瀬が電話を取ったみたいだった。
泣き声が耳元に近づいた。
「七瀬…?」
すすり泣く声はやまない。
「大丈夫…か?」
泣き声が少し落ち着いた頃、
七瀬はようやく口を開いた。
「たか、な…」
「ん?」
「し…、っ」
かと思えば…
「…死ね…馬鹿梨」
「なっ…」
ツー、ツー
「っな…なん…なんだよ」
…とりあえず、七瀬が殺意を持つほど俺が嫌いだということはよく分かった。
…が、
「何で…こうなったんだ…」
*