テキストサイズ

take a breather

第20章 I seek

「翔くん、ジャケットを先に脱がないと、Tシャツが脱げないから一度下ろして?」

「ん…」

翔くんのTシャツを下ろす手助けをし
ジャケットを脱がせ、更にTシャツの裾に手を掛けた

大人しくされるがままの翔くん

「はい、バンザーイ」

「ばんざ〜い」

万歳をした翔くんからTシャツをスポッと取り去る

「はい、タオル
今、何か着替え用意するから拭いて待ってて?」

タオルを差し出したのに、それをジッと見つめ受け取らない翔くん

「…ふいて」

「へ?」

「さとしくんがふいて?」

ウルウルの瞳で俺を見つめる

翔くんにそんな事を頼まれるなんて思ってもみなかった…

「だめぇ?」

小首を傾げ俺を見上げる翔くんの目に涙が浮かんでくる

「いや、ダメじゃないよ?」

否定するとニコ〜っと笑った

「ありがとぉ」

屈託のない笑顔

うんっ!今夜の翔くんは幼稚園児だと思って扱えばいいんだ

そうだ!そうしよう!

翔くんの体を首から胸にかけて
タオルでそっと拭く

「んっ…」

翔くんの口から漏れる声に、ドキッとした

幼稚園児はこんな色っぽい声出さないぞ?

急いで水分を拭き取り、立ち上がった

「着替え取ってくる」

「はやく戻ってきてね?」

寂しそうな瞳で俺を見上げる

もう、勘弁してくれ…

そんな瞳で見つめ続けられたら
俺の理性なんて、簡単に吹っ飛んじゃうよ…

ストーリーメニュー

TOPTOPへ