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take a breather

第20章 I seek

翔くんでも着られそうな大きめのTシャツを用意した

「お待たせ、翔くん。これ着て?」

「お〜そ〜い〜、はやくって言ったのにぃ〜」

唇を突き出し頬を膨らます
もはや、駄々っ子でしかない

でもわがままを言う翔くんが可愛くて仕方ないのは
やっぱ惚れてるから、なんだろうな

他の奴らに言われても、絶対こんな甲斐甲斐しく世話なんてしてやらない

きっと放置する

それに翔くんには、いつも俺が世話してもらってる立場だし?

たまには…いや、こんな可愛い翔くんが見られるなら
いつでも俺が世話してやりたい

「ごめんな。はい、これ着られる?」

翔くんの目の前でTシャツを広げた

「着られない…さとしくんが着せて?」

そう言われると思った…
今の翔くんは何でもして欲しいんだよね?

シャツを頭からスポッと被せると翔くんは袖に腕を通した

「ありがと…さとしくんっ」

にこっと、ご機嫌で笑う翔くんに笑顔で答える

「どういたしまして」

さてと、これからどうしよう…

ふにゃふにゃはしてるけど
意外と意識はしっかりしてるんだよなぁ

でも水溢してたし…

「翔くん、どうする?まだお酒飲みたい?」

「ううん、もぉいい」

「じゃあ、寝る?」

「うん、寝る」

客用の布団はないし
翔くんにベッド使ってもらって、俺はソファーで寝ればいいか

「翔くん、寝室に案内するからおいで?」

「ん〜、寝る前にシャワーしたい」

「シャワー?大丈夫?そんなフラついてるのに」

「さとしくんもいっしょっ」

「へっ⁉︎一緒?俺も一緒にシャワー浴びるの?」

「だめ?」

途端にウルウルの瞳になる

これはもう、反則技だろ…

誰が断れるんだ
惚れた相手からこんな可愛くおねだりされて…

断れる奴がいるなら見てみたい

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