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take a breather

第21章 Be with you

ニノのアドバイスはとにかく的確で
毒舌に聞こえていたのも
短く要点を伝えるから、そう聞こえるんだとわかった

「あと半歩、足を前に踏み出せば
それぐらい簡単に取れんだろ」

おっしゃる通り…

未経験の俺には、ありがたい助言だけど
きっと、経験者の奴らには
上から言われる事に腹が立ったんだろう

ニノのアドバイスでメキメキ成長を遂げた俺は
気が付けば全国大会まで勝ち上がってた

だから、俺が全国レベルのプレイヤーになれたのは、ニノのおかげ

でも、ニノから言わせれば

『智とペアだから行けたんだよ
あんたの運動能力、天性のもんだからね
智に巡り合えてラッキーだった』

天性の運動能力ねぇ…

そんなこと思った事もないけど
ずっと辛口だったニノから、最後の大会の後にそう言われ
悪い気はしなかったな

「で?どうすんの推薦の話
智はまだ返事してないんだろ?」

「ん?まぁ、入試を受けないでいいのは助かるから
ほぼ行く気ではいたけどな
でも、これでハッキリ決まったよ」

あの人を見て決めた

「ふ〜ん。智が決めたのはもう一人の先輩の為、かな?
あのタイプのプレイヤーは智と相性いいからね?」

そう…あの人とニノはプレイタイプが似ている

だから、あの人が思い描いてるプレイを
俺が手足となって補い支えればいい

今のパートナーはそれが出来るだけの運動能力があるのに、出来てないんだよなぁ

でも、ニノからのアドバイスを聞き入れれば
きっと凄いプレイヤーになる

どっちに転ぶかは
あの『力加減馬鹿男先輩』次第

「お互い楽しみが出来たね、智」

「おう」

待っててよ?きっと俺が貴方を勝たせてあげるから

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