テキストサイズ

take a breather

第21章 Be with you

「何を話したんだ?相葉さんと」

「あの人、俺のファンなんだって」

「ファン?なんで?
相葉さん、ニノのこと知ってたの?」

「うん。去年の夏の地区予選見に来てたんだってさ」

「へぇ〜、そうだったんだ」

夏の地区予選って事は、優勝した大会だよな

「俺たちふたりとも体型に恵まれてるとは言えないじゃん?学年の平均身長より低いし…
そんな俺たちが、他を圧倒して優勝したのを見てファンになったんだってさ」

なるほど…

「だからニノが挨拶した時、顔紅くしてたのか…」

「そう…あれを見て俺に好意を持ってくれてるんだな、って気が付いたのよ
だったら、キツく指摘するよりも
褒めちぎった方がすんなり聞いてくれるかな、って
厳しくするのはペアを組んでからでいい
まずは、俺とペアを組みたいと思って貰うのが先だろ?」

今更だけど怖すぎる…

コイツの観察眼で対戦相手の心理を読む事はよくあったけど

あの一瞬で、相手が自分に抱いてる思いを読み取ったんだ

「なぁなぁ、それなら櫻井さんは?
俺、嫌われてるみたいなんだけど」

「嫌われてはないと思うよ?
ただ、相葉さんが離れていくのが寂しいんじゃないかな」

さっきも寂しそうな顔してたしな
余程、仲の良い友達なんだろう…

「あのふたり、小学生の時からペア組んでるんだって」

「そんな長い間一緒にプレイしてるのか」

「そ…だから、強くなるのも一緒に強くなりたかったのかもね?
そんな甘い考えしてたら、いつまでも強くなれないのにさ」

正論だけど、櫻井さんはそう割り切れないんだろうな

ストーリーメニュー

TOPTOPへ