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take a breather

第21章 Be with you

その日の練習を終えて、校門を出ると
前を歩く櫻井さんと相葉さんの姿

話の内容はわからないが
見るからに楽しそうに会話するふたり

相葉さんが話すのを受けて、後ろ姿でも櫻井さんが爆笑しているのがわかる

「櫻井さん、あんなに笑う人なんだ…」

俺には笑顔のひとつも見せてくれなかったのに…

「相葉さん、楽しい人だからねぇ」

「ふ〜ん…」

後ろ姿じゃ顔まで見えないけど、どんな顔して笑ってんだろ?
想像つかないや…

「あっ!大宮だっ!」

櫻井さんの方に顔を向けていた相葉さんが、俺たちに気付いた

立ち止まり、俺たちが追いつくのを待っている

その隣には勿論、櫻井さんも立っているわけなんだけど
顔をこちらに向けた時には、笑顔は消えていた

「お疲れ様です、相葉さん、櫻井さん」

ニノが挨拶し、俺は頭だけ下げた

「おつかれ〜、ニノちゃん、おおちゃん」

ニノちゃんはわかるけど…

「あの、おおちゃんって
もしかして俺のことですか?」

「もしかしなくても、そうだよ〜
二宮くんは『ニノちゃん』だから
大野くんは『おおちゃん』
ね?良くない?良いよね?」

ネーミングセンスは別として
先輩から『ちゃん』付けで呼ばれたことなんてない

後輩にも気さくに接する人なんだな
ニノが楽しい人って言ってたのが、ちょっとわかる

「まぁ…俺は何て呼ばれても構いませんけど」

「やったぁー!
じゃあ、翔ちゃん、ニノちゃん、おおちゃん!
これからの親睦を図るために、小腹を満たしに行こう!」

「へっ⁉︎なに勝手なことっ…」

相葉さんの提案に驚く櫻井さん

「いいですねぇ、行きましょ」

その誘いに乗ったニノ

いいのかなぁ…櫻井さん、嫌なんじゃないか?

「行こう行こう!」

「行きましょ、行きましょ」

俺たちの返事を待たずに、相葉さんとニノが歩いて行ってしまった

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