take a breather
第22章 Song for me
「あ〜、また何かやらかしたのか…智のヤツ」
若干苦笑いの社長
「また勝手に居なくなったんすよ…
レコーディングスタッフさんたちの準備が整ったから控室に呼びに行ったら、もぬけの殻
ウチみたいな弱小事務所がスタッフさん待たせるなんて有り得ない」
「まぁなぁ…で?智は?見つかったのか?」
「ギリ見つかりましたよ
『何度も電話したんだぞ』って言ったら
『昼寝してて携帯の着信に気付かなかった』って
鼻の頭をポリポリ掻きながら現れました」
「またか…」
社長と社員さんのやり取りに気を取られていたら、背後から突然声を掛けられた
「あれ?キミ、なんでここにいるの?」
聞いた事のある声に、ドキッとし振り返った
「あ…」
突然の再会に驚き過ぎて声が出ない
「智!お前またやったんだってな」
「ん…ごめん、松兄…」
社長の方に顔を向け謝る智
本物だ…
一昨年の夏以来、姿を見ていなかったけど
この情けない表情…あの時会った人と同一人物
「仕方ねぇなぁ…何とかならねぇか?
控室以外での昼寝」
「だって、控室で寝てると、人の出入りが激しくて落ちつかねぇんだもん…」
「仕事場で寝るのをやめようとか思わねぇのか?」
「ボーッとしてると眠くなる…」
「だったら何かやればいいだろ」
「やる事ねぇし…」
「ん〜、困ったなぁ…」
困ったという割には、それ程困った表情は浮かべてない
「ねぇ、キミ。なんでここにいるの?」
社長との会話が終了とみたのか、再び智が俺に問い掛けてきた
俺の事、覚えていてくれてた?
あんな僅かな時間の出来事なのに?
「あのっ、今日からここで働くことになりました」
「へぇ〜、新人の子?
キミも歌、歌うの?」
智が目を見開いて俺を見た
凝視され緊張が増す
「いいえっ!事務所の社員です!
歌なんて歌えません!」
「なんだ…勿体ない…」
ボソッと呟いた智
何が勿体ない?
若干苦笑いの社長
「また勝手に居なくなったんすよ…
レコーディングスタッフさんたちの準備が整ったから控室に呼びに行ったら、もぬけの殻
ウチみたいな弱小事務所がスタッフさん待たせるなんて有り得ない」
「まぁなぁ…で?智は?見つかったのか?」
「ギリ見つかりましたよ
『何度も電話したんだぞ』って言ったら
『昼寝してて携帯の着信に気付かなかった』って
鼻の頭をポリポリ掻きながら現れました」
「またか…」
社長と社員さんのやり取りに気を取られていたら、背後から突然声を掛けられた
「あれ?キミ、なんでここにいるの?」
聞いた事のある声に、ドキッとし振り返った
「あ…」
突然の再会に驚き過ぎて声が出ない
「智!お前またやったんだってな」
「ん…ごめん、松兄…」
社長の方に顔を向け謝る智
本物だ…
一昨年の夏以来、姿を見ていなかったけど
この情けない表情…あの時会った人と同一人物
「仕方ねぇなぁ…何とかならねぇか?
控室以外での昼寝」
「だって、控室で寝てると、人の出入りが激しくて落ちつかねぇんだもん…」
「仕事場で寝るのをやめようとか思わねぇのか?」
「ボーッとしてると眠くなる…」
「だったら何かやればいいだろ」
「やる事ねぇし…」
「ん〜、困ったなぁ…」
困ったという割には、それ程困った表情は浮かべてない
「ねぇ、キミ。なんでここにいるの?」
社長との会話が終了とみたのか、再び智が俺に問い掛けてきた
俺の事、覚えていてくれてた?
あんな僅かな時間の出来事なのに?
「あのっ、今日からここで働くことになりました」
「へぇ〜、新人の子?
キミも歌、歌うの?」
智が目を見開いて俺を見た
凝視され緊張が増す
「いいえっ!事務所の社員です!
歌なんて歌えません!」
「なんだ…勿体ない…」
ボソッと呟いた智
何が勿体ない?