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take a breather

第22章 Song for me

翌日、昨日教えて貰った智のマンションに迎えに行く

智のマンションは、有名芸能人が住むような高級マンションではなく
住宅街にある、至って普通のワンルームマンションだ

流石にもう少しいい所に住んでもいいんじゃないか?

そこそこ稼ぎはあるよな?
新卒社員の俺だって、ある程度の初任給は提示されてたぞ?

マンションの前に到着すると、智が既に立っていた
待ち合わせの時間より、まだ少し早い

「おはようございます、遅くなってすみません」

車から降りて足早に大野さんの元へ

「ん?あ〜ごめん、俺が早く出過ぎた
ここ、道細いだろ?
車が止まってると邪魔かと思って」

確かにここは一通で
後ろから車が来ても通れなくは無いけど、邪魔にはなる

「今度から着いたら連絡しますね
準備さえ済んでれば、部屋から出てくるのにそんなに時間掛かりませんよね?」

「ん、ありがと、そうしてくれる?」

「はい」

昨日、定食屋でごはんを食べてる時に、連絡先を交換した
アシスタントとは言え、マネジャーなんだから当たり前なんだろうけど…

智の方から『連絡先、交換しよ?』って言われて、超緊張…
俺なんかが智の連絡先を知ってしまっていいのだろうか、と

でも交換しておいて良かった
明日からは、智を外に待たせずに済む

「じゃあ、行きましょうか」

後部座席のドアに手を掛けると、智は俺の隣に立ち助手席のドアに手を掛ける

「え?大野さん?」

「今日もこっちでいい」

そう言いながら、助手席に乗り込んでしまった

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