無料で楽しめるちょっと大人のケータイ小説

またしても慌てて運転席に乗り込む

「いいんですか？前で
後ろの方がゆっくり出来るんじゃ…」

「いいから、いいから…
ほら、早く車出さないと、後ろ来ちゃうよ？」

「あぁ、はい…」

いいのかな…本当は駄目だよね
後部座席の方が安全だろうし…

そうは思うんだけど、隣に座る智はやっぱりどこか楽しそうで…

もしかして、ドライブ好き？
それなら、わかるよな

ドライブするなら、後部座席よりも前の方が景色が見やすい

取り敢えず、一度国分さんに確認してみるか
智を前に乗せてもいいかどうか

もし問題がないなら、智のしたいようにして貰えばいいんだし


今日の仕事もレコーディング

3ヶ月後に新しいアルバムが発売される予定

その情報は既にゲットしてたけど
まさか自分がレコーディングスタジオまで送り迎えをする事になるとは、思ってもいなかった

スタジオに着くと、国分さんは既に入口付近で待っていて
智と俺を出迎えてくれた

「おはようございます」

「おはよう。道迷わなかった？」

「ええ。大野さんが教えてくれたので、大丈夫でした」

「そうか。じゃあ行こうか、スタッフさんたちに櫻井くんのこと紹介したいから」

「はい」

「智は先に控え室に行ってていいよ、すぐに戻るから
その代わり櫻井くんが戻るまで、ぜぇーったい部屋からいなくなるなよ？」

「わかってるよ…そんな強調しなくても」

「わかってないから言ってるんだよ」

苦笑いする国分さん

余程苦労させられたんだな…