take a breather
第22章 Song for me
智と別れ、スタッフさんたちの元へ向かう道中
国分さんにさっきの件を確認した
「え?助手席?」
「はい。昨日も今も助手席に乗ってるんですけど、問題ありますか?」
「ん〜、まぁ、本来なら後ろに乗って貰いたい所だけど
社長からの命令で『智はなるべく自由に』ってことで言われてるんだよなぁ…」
「自由に?」
「そう。智が作詞もやってるのは知ってる?」
「はい、知ってます」
智の歌は歌声も魅力的だけど、その歌詞も魅力的…
全作じゃないけど、何本か本人が書いてると知った時は、繊細な感受性の持ち主なんだと思った
「あの感性を殺したくないから
好きにやらせてくれって…
でも、この業界はスタッフさんたちに嫌われたら終わりだから、迷惑だけは掛けないようにしないと…
あの才能を埋れさす訳にいかないだろ?
だから、仕事の時間に遅れるとか、すっぽかすなんて事だけは起こらないようにしたいから
突然いなくなるのだけは、やめて欲しいんだけど…」
国分さんがいつも必死なのは、智の為だったんだ…
智の歌に惹かれた人たちが、智を世に出そうと頑張ってるんだ
俺も智の為に頑張ろう!
そう気合いを入れたのに…
「櫻井くんは、智の側に付いててくれればいいからね?」
「えっ?」
「社長もそう思って、櫻井くんを智に付けたんだと思う」
「あの…どういう?」
「今の智の状況って、周りにいるの大人ばかりだろ?
まぁ…本当は智も大人なんだけど
あの純粋さは子供に近い…
だから、話し相手になる同じくらいの年の子を近くに置いてあげたかったんじゃないかな
息抜きの場として…」
「息抜き…ですか…」
俺が相手になれるのかな…
「あぁ、難しく考えないでいいよ?
ただ、口煩く言うのは俺ひとりで十分だから…
たまに社長の力も借りちゃってるけど
あの人の場合、口煩くと言うよりも優しく諭してくれてる」
微笑みを浮かべる国分さんと、昨日の『困った奴』と言いながらも困った表情をしていなかった社長を思い出し
ふたりの智への愛情を感じた
国分さんにさっきの件を確認した
「え?助手席?」
「はい。昨日も今も助手席に乗ってるんですけど、問題ありますか?」
「ん〜、まぁ、本来なら後ろに乗って貰いたい所だけど
社長からの命令で『智はなるべく自由に』ってことで言われてるんだよなぁ…」
「自由に?」
「そう。智が作詞もやってるのは知ってる?」
「はい、知ってます」
智の歌は歌声も魅力的だけど、その歌詞も魅力的…
全作じゃないけど、何本か本人が書いてると知った時は、繊細な感受性の持ち主なんだと思った
「あの感性を殺したくないから
好きにやらせてくれって…
でも、この業界はスタッフさんたちに嫌われたら終わりだから、迷惑だけは掛けないようにしないと…
あの才能を埋れさす訳にいかないだろ?
だから、仕事の時間に遅れるとか、すっぽかすなんて事だけは起こらないようにしたいから
突然いなくなるのだけは、やめて欲しいんだけど…」
国分さんがいつも必死なのは、智の為だったんだ…
智の歌に惹かれた人たちが、智を世に出そうと頑張ってるんだ
俺も智の為に頑張ろう!
そう気合いを入れたのに…
「櫻井くんは、智の側に付いててくれればいいからね?」
「えっ?」
「社長もそう思って、櫻井くんを智に付けたんだと思う」
「あの…どういう?」
「今の智の状況って、周りにいるの大人ばかりだろ?
まぁ…本当は智も大人なんだけど
あの純粋さは子供に近い…
だから、話し相手になる同じくらいの年の子を近くに置いてあげたかったんじゃないかな
息抜きの場として…」
「息抜き…ですか…」
俺が相手になれるのかな…
「あぁ、難しく考えないでいいよ?
ただ、口煩く言うのは俺ひとりで十分だから…
たまに社長の力も借りちゃってるけど
あの人の場合、口煩くと言うよりも優しく諭してくれてる」
微笑みを浮かべる国分さんと、昨日の『困った奴』と言いながらも困った表情をしていなかった社長を思い出し
ふたりの智への愛情を感じた