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take a breather

第22章 Song for me

国分さんが控え室のドアをノックする

「智、行くぞ」

『…ん』

ドアの向こうで小さく返事が聞こえた

国分さんがドアを開けると、ソファーに横になってる智がいた

「お前、早速寝ようとしてたな?」

「だって、する事ないんだもん…」

口を尖らせてるその表情はまるで子供だ

「声、出るか?」

「ん…大丈夫。一瞬ウトウトしただけだから」

「これ飲んでけ」

国分さんは自分の持つ鞄の中からマグボトルを取り出し、蓋を開けると智に手渡した

「ありがと…」

智はそれを受け取ると
口に付け、ゆっくりとふたくち飲んだ

飲み終わった頃に国分さんが手を差し出す
智はボトルを国分さんに返し立ち上がった

「ん〜〜♪…よしっ!今日も絶好調」

ハミングを鳴らし、ニコッと笑う

「おっしゃ!行くぞ」

国分さんが智の頭をクシャクシャっと撫でると、智は更に嬉しそうな顔をする

「櫻井くんも行くよ?」

智と並んで歩く国分さんが、ドアの所で振り返る

「あ…俺も?いいんですか?行って」

「端っこの方で見てる分には邪魔にならないから
自分の担当してるアーティストなんだから
聴いておいた方が、今後の勉強にもなる」

智の生歌がこんな早くに聴けるなんて…

「はいっ」

嬉しさと緊張とで返事が大きくなってしまった

智と国分さんがそんな俺を見て微笑んでいる

俺も智の事言えないか…
これじゃ、欲しがってる物を与えて貰って、喜んでいる子供の反応だ

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