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take a breather

第22章 Song for me

買い過ぎると飲んでしまう可能性もあるし、少なめにアルコール類を購入

「翔くん、心配症?」

購入した物をリビングのテーブルに広げる

「そんなでもないと思うけど
マネージャーとして、用心の為ね?」

「今はプライベートなのにぃ…」

唇を突き出し不満そうな顔をする

「ごめん…でもファンとしても、大野さんの声は守りたいから」

缶ビール2本をテーブルに残し
残りのビールを冷蔵庫にしまいに行く智の背中に向かって話す

「…翔くんってさ、この仕事に就く前から俺の事『大野さん』って呼んでたの?」

戻ってきた智が俺の隣に座った

「ううん、呼んでない
友達に大野さんの話聞いた時に『智』って呼んでたから
俺も『智』って呼び捨てにしてた…ごめん」

「なんで謝るの?」

「だって、俺の方が年下だし…」

「いいよ、そんな細かいとこ気にしなくて…
それよりも、今も智って呼んでよ」

「それはダメでしょ!」

「なんで?」

「だって…俺、マネージャー…」

「国分さんは智って呼ぶよ?」

「国分さんは、年上じゃん…
社会人の常識として、目上の人を呼び捨てになんて出来ないよ」

「…恋人でも?」

「それは…」

世間の恋人同士なら、年なんて関係なく呼び合うんだろう

「プライベートでふたりでいる時は名前で呼んでよ
恋人なんだから」

「…なら『智くん』…でもいい?」

「うんっ!全然いい!
スッゲェ可愛いよ!翔くんの『智くん』」

こんな事くらいでメチャメチャ喜ばれた

まさか呼び方一つで可愛いなんて言われると思ってなかった俺は、メチャメチャ照れる

なんか、本当の恋人同士みたい…

『みたい』じゃなくて、本当にそうなんだけど
やっと、実感出来た感じ…

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