テキストサイズ

take a breather

第22章 Song for me

「「かんぱーい!」」

缶をコツンと当てて、グビグビとビールを流し込む

「はぁ〜、うまっ!」

半分くらい一気に飲んで、缶をテーブルに置いた

「おっ?翔くん、イケるクチ?」

「学生の頃からよく友人たちと飲んでたからね」

「大学生って凄い飲みそうなイメージ…」

「今考えるとバカな飲み方してたなぁ…
質より量的な?
安い酒飲んで、みんな悪酔いしてた」

「翔くんも?」

「俺も友達に迷惑掛けたことあるな…
飲み潰れて、動けなくなって、友達がおんぶして家まで送り届けてくれた」

「今日は飲み潰れても大丈夫だよ?
泊まるんだから」

「そこまで飲みません
智くんに飲んじゃダメって言っておきながら、自分だけ飲めないよ」

「ふふっ…翔くんって優しいね」

「べ、別に普通のことでしょ…」

「それに照れ屋さん。ほっぺが紅いよ?」

「…飲んだからだよ」

「まだ一本も空けてないけど?」

智くんがニヤッと笑う

「…智くんって、意外と意地悪?」

「翔くんが可愛いから、つい意地悪しちゃった…ごめん、許して?」

「いいけど…」

本当に意地悪だと思った訳じゃないし…

智くんに追い込まれて、恥ずかしくなっただけだし…

テーブルに手を伸ばしビールを掴む

「ありがと」

お礼を言った智くんが近づいて来た

ほっぺたに温かいモノが触れて、離れていく

「なっ⁉︎」

突然された頬チュウに吃驚して
手にした缶をそのままテーブルにストンと落とした

「翔くん、ほっぺが真っ赤っか。可愛いっ!」

智にギュッと抱きしめられた

頬に触れただけのキスなのに…
抱きしめられてるだけなのに…
こんな事、今までだって経験してる事なのに…(今まではする側だったけど…)

俺の心臓はあり得ないほどバクバクしてる

ストーリーメニュー

TOPTOPへ