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take a breather

第22章 Song for me

吐き出し切ると、体から力が抜けた

「はぁ…」

智がティッシュで吐き出したモノを拭き取ってくれる

「キモチ良かった?」

「ん…」

メチャメチャ良かった

こんな事、人にして貰った事ないから
恥ずかしくて口に出しては言えないけど
下半身だけの刺激だけじゃなく
上半身の刺激があったからだろうな…

しかも俺は何もしないで、本当に全部智に委ねちゃってる

そして、このあとも…

智を見ると次の段階に移ってた

自分のシャツを脱ぎ捨て
ベッドの脇に置いてある、小さな引き出しから何かを取り出す

「何それ?」

「ん?ローション」

ローション?なんであるんだ?
もしかして、常備品?
だから、心配しなくて大丈夫ってこと?

まさか、智って遊び人?

俺も遊ばれてる?

疑問が次々と浮かんで来るのに、怖くて智に問うことが出来ない

智がローションを開封した

「あ…新品…」

「ん?これ?もちろん新品だよ
翔くんの為に用意したんだから」

「俺の為に?」

「うん。いつこうなってもいいように準備しといた
これが無いと、翔くんに辛い思いさせちゃうからね
それに俺もそろそろ限界だったし?」

「何が限界なの?」

「毎日翔くんが傍にいて、何も出来ないのが限界…
だから今日、家に誘ったの」

「もしかして、最初からそのつもりだった?」

「うん…ごめん…」

そっか…そうだったんだ
でも、なんか安心した…

智の気持ちを疑ってた訳じゃ無いけど
やっぱり心のどこかで不安なんだろうな…

多くの人から好かれている智が、本気で俺と付き合っているのかどうか…

「ううん、全然いい。
俺、嬉しいよ?智くんにそんな風に想って貰えて…
まだ、自信なかったんだよね、智くんの恋人って立場に…」

「翔くん…」

「だから、もっと伝えて?智くんの想い
俺が不安にならないように…」

フニャッと笑った智が、俺の頬に手を添える

「大好きだよ…翔」

胸がキュンと高鳴った

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