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take a breather

第22章 Song for me

智のレコーディングも、俺たちの恋人関係も順調に進んでいった

智の家の近所のスーパーで買い物をし、夕食を一緒に作り、食べる

そのままお泊まり、なんて事も増えて来た

もう間もなくレコーディングが終わる

そんな中、智とレコーディングスタジオまで行くと、控室に入るなり国分さんに呼ばれた

「櫻井くん、ちょっといいかな?」

「はい、何でしょう」

立ち上がり、国分さんの元へ

「ここじゃなんだから、別の部屋に…」

ここじゃ出来ない話?
今までそんなことなかったのに…

智の傍にいて、智の居場所を伝えるだけの仕事
智に聞かれて不味い話なんてない

打ち合わせにしても、智のスケジュールを聞き、迎えの時間の確認するだけの物

寧ろ、智が一緒にいた方がいいくらいだ

いつもと違う様子に、ちょっと緊張する

「なんでここじゃダメなの?」

智も同じ事を思ったのか、俺と同じ疑問を口にした

「櫻井くんだけに、確認したい事があるんだよ
個人情報だから、智には聞かせられないんだ」

「ふ〜ん…」

納得いかなそうな智

でも、外ではあくまでもタレントとマネージャーの関係だから、これ以上の詮索は出来ない

「ちょっと、行ってきますね」

「ん…」

智に声を掛け、国分さんと部屋を出た

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