take a breather
第22章 Song for me
ガラスの向こうには、マイクの前に立ち、スタンバイしている智
視線を伏せていて、こちらには気付かない
少し猫背気味に佇む智は、まだスイッチが入っていない証拠…
社長が坂本さんに歩み寄り、頭を下げる
「すみません、お待たせしました」
「いえ、大丈夫ですよ
最高の一曲を録るためなら、多少待った所でなんの痛手もない
何回も録り直すより効率的だ」
坂本さんは社長に笑顔で答えると、俺を見た
「久しぶりだね、櫻井くん」
「お久しぶりです」
俺に対しても笑顔で挨拶してくれる坂本さんに、深々と頭を下げた
「松岡さんが君を連れてきたって事は
智の調子が上がらなかったのは君が原因だったって事かな?」
坂本さんがニヤッと笑う
「あ…いえ…そんな事ないと思います」
例えそうだとしても
智の為に、それを認めちゃ駄目だ
「ふ〜ん、そう?
まぁいいさ…すぐに答えは出るだろうからね?」
坂本さんは正面に向き直ると、スイッチを入れた
「智」
呼ばれた智が顔を上げた
その瞬間、智の顔に笑顔が浮かぶ
『翔!』
そんなに嬉しそうに笑うなよ
それだけで、胸が熱くなるじゃないか…
「智。櫻井と話したければ、早いとこレコーディング終わらせるんだな」
坂本さんの横で、松岡さんが智に話し掛けた
智は満面の笑みで、コクコクと大きく頷く
「坂本さん、お願いします」
松岡さんが軽く頭を下げた
「了解です。智、始めるぞ」
智が親指を立てる
その後歌われた歌は
松岡さんが言った通り、最高の歌声だった
視線を伏せていて、こちらには気付かない
少し猫背気味に佇む智は、まだスイッチが入っていない証拠…
社長が坂本さんに歩み寄り、頭を下げる
「すみません、お待たせしました」
「いえ、大丈夫ですよ
最高の一曲を録るためなら、多少待った所でなんの痛手もない
何回も録り直すより効率的だ」
坂本さんは社長に笑顔で答えると、俺を見た
「久しぶりだね、櫻井くん」
「お久しぶりです」
俺に対しても笑顔で挨拶してくれる坂本さんに、深々と頭を下げた
「松岡さんが君を連れてきたって事は
智の調子が上がらなかったのは君が原因だったって事かな?」
坂本さんがニヤッと笑う
「あ…いえ…そんな事ないと思います」
例えそうだとしても
智の為に、それを認めちゃ駄目だ
「ふ〜ん、そう?
まぁいいさ…すぐに答えは出るだろうからね?」
坂本さんは正面に向き直ると、スイッチを入れた
「智」
呼ばれた智が顔を上げた
その瞬間、智の顔に笑顔が浮かぶ
『翔!』
そんなに嬉しそうに笑うなよ
それだけで、胸が熱くなるじゃないか…
「智。櫻井と話したければ、早いとこレコーディング終わらせるんだな」
坂本さんの横で、松岡さんが智に話し掛けた
智は満面の笑みで、コクコクと大きく頷く
「坂本さん、お願いします」
松岡さんが軽く頭を下げた
「了解です。智、始めるぞ」
智が親指を立てる
その後歌われた歌は
松岡さんが言った通り、最高の歌声だった