テキストサイズ

take a breather

第23章 証

〈翔サイド〉

隣にある筈の温もりが感じられない…

でもすぐ近くに気配を感じ
その姿を確認する為に瞼を開いた

「おはよ」

朝から優しく微笑む智さんに、キュンとした

「お、はよ…ございます」

挨拶を返すと、髪を撫でてくれる
嬉しいんだけど照れ臭い…

ベッドの淵に座って俺を見下ろす智さんが、いつもに増してカッコ良く見える

ぼーっと見惚れていると、ニコッと笑った智さんが近付いて来てキスをされた

何度も啄ばむようなキスをされ、朝から体が火照りだす

智さんの舌が俺の唇を押し開き侵入して来た

「んっ、ぅ…」

すぐに舌を絡めとられ
激しくなるキスに溺れかけた所で、寝室のドアが開いた

「ミャ〜」

「ん?ブルー?」

智さんがキスを止め、ドアの方を見た

大きくなったブルーは、ドアノブに飛び付き、自分で部屋のドアを開けられる様になった

本当に賢い子だ

雅紀にそう自慢話したら『他の猫ちゃん達もよくやるよ、翔ちゃん親バカだね』って笑われた

親バカで結構。それだけブルーは可愛いんだ

「どうした?ブルー」

「ミィ」

ブルーがリビングの方を見た

「ん?何かあったか?」

智さんが立ち上がり、ドアの所まで歩いて行くと何かに気付いた

「あっ、電話か…」

耳を澄ますと、スマホの着信音が聞こえて来た

「サンキュー、ブルー」

平日は、目覚ましをセットするからスマホをベッドのサイドボードに置いておくけど
今日は土曜日…

スマホをリビングに置きっぱなしにしていた

それにしても、まだ9時前…

こんな時間に電話が掛かって来るなんて
智さんと一緒に暮らし始めてからは、初めての事だ

ストーリーメニュー

TOPTOPへ