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take a breather

第23章 証

「おはよ、ブルー」

体を起こし、ドアの所にいるブルーに挨拶をすると
ブルーはトコトコと歩いて来て、ヒョイとベッドに飛び乗った

「ミァ〜」

俺の腿の上に乗り、前足を上げ抱っこをせがむ

抱き上げてやると、ペロペロと顔を舐められた

「ふふっ…擽ったいよ、ブルー」

体を撫でながら軽く注意をすると更に激しく舐めてくる

『えっ⁉︎』

智さんの驚いた様な声が聞こえ、ブルーを抱いたままリビングに向かった

智さんがあんな声出すなんて珍しい…
何かあったのかな

「いやっ、そんな事急に言われても…」

明らかに動揺している智さん

「こっちにだって都合が…
そりゃ仕事は休みだけど…
予定?特には…」

段々と追い込まれていってるみたいだ

智さんをこんな風に追い込む相手って誰?

「はっ⁈もう着くってなんだよ!
あっ!待って、ねぇちゃん!」

智さんが手にしたスマホを呆然と眺める

「どうかしたんですか?」

声を掛けると、眉毛を下げ情けない表情をした智さんがこちらを向いた

「今から、ねぇちゃんがココに来るって…」

「え?お姉さん?」

智さんと住み始めて、智さんのご家族がここに来るのは初めてだ

「あの、俺…どこかに行ってましょうか?」

「いや、ここにいてくれていいんだけど…」

いいと言う割にはスッキリしない言い方

「どうしました?」

「ねぇちゃんの子供…俺の姪っ子なんだけど、今日一日預かってくれって…」

「お姉さん、どうかしたんですか?」

「ん…今日、友達の結婚式なんだって
で、旦那に子守頼んでいたのに
昨日になって急な出張が入って、朝早くに出掛けちゃったって…」

「それはお困りですね…
いいじゃないですか、姪っ子さん預かってあげれば」

「まぁ…そう、なんだけど…」

智さんが口を濁すのも珍しい

何か問題ありな感じ?

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