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take a breather

第23章 証

〈智サイド〉

ねぇちゃんの娘の『絵莉』

今年、小学一年生になった

俺の初姪って事もあり
生まれた時から、めちゃめちゃ可愛がった

そのせいで、絵莉も俺にめっちゃ懐いてくれたんだけど…

幼稚園の年中になった辺りから、会う度に『絵莉、大きくなったら智のお嫁さんになる』って言い出した

最初は可愛いなぁ…なんて思ってたんだけど
今の子はマセているんだな…

本当に彼女になったつもりでいるのか、赤ちゃんの頃の様な可愛さではなく
この年にして『女』を意識した女の子に成長していった

「智、絵莉のこと好き?」

「ん、好き」

「何それ?心がこもってない!」

と、怒られる始末…

さすが親子だな…怒り方までねぇちゃんに似て来たわ…

となると、絵莉のことは可愛いとは思うが
扱いが面倒になって来た…ってのが、実際の所

それを一日預かれなんて…

どうご機嫌取りしたらいいんだ?

考える間もなく、部屋のインターフォンが鳴る

「ホント早いな…」

まだ5分も経ってないぞ?
どこから電話して来たんだ?

玄関の鍵を開けると、こちらからドアを開ける前に向こうからドアが引かれた

「遅い…」

首を横に振り、ため息混じりで文句を言うねぇちゃん

「いきなり来て、それはねぇだろ」

翔とよろしくやろうとしてた所を邪魔したクセに…

「こっちは急いでんのよ…
これから、美容院に行って髪をセットして貰わなきゃいけないんだから」

そんなの知るか…って言いたい所だけど、これ以上長引かせると後々厄介だ

「悪かったな、なら急いで行けよ」

「言われなくても行くわよ
絵莉、良い子にしてるのよ?」

ねぇちゃんの後ろから、正月振りに会う絵莉が顔を出した

「うんっ。わかってるわ、ママ」

子供の成長って早いなぁ…

7ヶ月しか経ってないのに、背も伸びたし、顔つきもプニプニしていた幼稚園の時とは変わり、少し少女らしくなっていた

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