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take a breather

第3章 このままもっと

髪を撫でていた智くんの手がスルッと移動してきて、頬に触れる

真剣な表情に変わった智くんに見つめられた。

「もう、止まんねぇよ?」

あまり見ることのない男らしい智くんの姿…
また胸がキュンとして、見惚れてしまった

するとまたいつもの優しい微笑みに変わり

「出よっか」

「えっ?」

出るの?てっきりこのまま進むのかと…

「逆上せそうだから、出ていい?」

「あ、うん…」

そうだった…智くんは長風呂が出来ない人だった

パジャマ替わりのスエットを着ると智くんがドライヤーで髪を乾かしてくれる

髪を梳く手が優しくて、気持ちいい…

「今日は翔くんの部屋で寝させてね」

「俺の部屋?」

「うん。潤とニノに俺のベッド貸したから」

「あ、そっか…」

いつもなら朝まで飲み続けて、そのままリビングで雑魚寝だけど、今日は早く切り上げたからベッド貸したんだ。

「はい、終了」

「ありがと。智くんも乾かしてあげる。
ドライヤー貸して?」

「お、サンキュー」

智くんは嬉しそうにドライヤーを手渡してくれた。

「こんなことしたことなかったよねぇ」

智くんの柔らかな髪を梳きながらドライヤーの風を当てていく

「ん〜、普通男同士でやることじゃねぇからな。
女子ならやりそうだけど」

「そうだね…はい、終わり」

「ありがと。じゃあ行こっか」

微笑みと共に差し出される手

「…うん」

その手を握るとドキドキと鳴り出した鼓動

緊張してるのは俺だけ?

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