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take a breather

第24章 むかえに行くよ

「なぁ…翔くん…」

事の真相を確かめようと、恐る恐る翔くんに質問しようとした時…

「あーっ!この公園、やっぱりここだっ」

キョロキョロしていた翔くんが道路脇にある公園を見つけ、駆け出した

「えっ?しょ、翔くんっ?」

俺も急いでその後を追う

翔くんが公園の中に入って行く 

その公園は、俺が子供の頃、よく遊びに来ていた近所の公園

子供の遊具が少しあって、この時期は公園の半面をクローバーが占めている

「この公園がどうかした?」

「ここ…昔遊びに来た」

「えっ⁈ここ?」

「うんっ。智くんの家に遊びに来た時…」

あ〜、成る程…それならあり得るな
子供の頃の俺は、家の中で大人しく遊べるような子じゃなかった

外で走り回るのが大好きな、どちらかと言えばヤンチャ坊主…

翔くんがしゃがみこんで、クローバーに触れた

「智くん、四つ葉のクローバー探すの上手だったよね?」

「ん?そう言えば、よく見つけてたな」

簡単に見つけられるから珍しい物だとは思ってなかったけど
普通は3枚葉なんだと、母ちゃんが教えてくれた

「僕にもくれたんだよ?四つ葉のクローバー
それと、シロツメグサの花冠も」

「花冠って花を編んで作るやつだろ?
俺、そんな物翔くんにあげてたんだ
ごめんな?嬉しくなかっただろ、そんな物貰っても」

本当なら花冠なんて男の子にはやらないよな
あの頃の俺は翔くんを女の子だと思ってたから、きっと作ってあげたんだ

「ううん…嬉しかったよ?
智くんがその冠を僕の頭に乗せてくれて
その時、言ってくれたんだ…
『大きくなったら結婚しようね』って」

「へっ⁈」

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