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take a breather

第24章 むかえに行くよ

「まぁまぁまぁ…しあわせそうな顔しちゃって…」

「おおちゃんも、とっととコクればいいのに」

「本当だよ。あんなにわかりやすく俺の事、牽制してんだからさ」

何やら3人の話声が聞こえる…
俺の事を話してるのか?

「大野さんにも、色々と考える所があるんじゃないの?」

「何を考える必要があんだよ
こんなに可愛い子から好かれてんだぞ?
俺なら即オッケーだよ、勿体ねぇ」

やっぱ俺の事か…勝手な事言ってんなよ
勿体ねぇから応えらんないんじゃん

3人の声に意識が浮上してくる

「…うるせ、よ…」

「あれ?起きたんだ。おはよ、大野さん」

「嫌でも起きるだろ、頭の上で話声が聞こえたら」

「ごめんね、おおちゃん
ふたりの寝姿があまりにも可愛いからさ
ついつい見惚れちゃった」

寝姿?体の右半身に温もりを感じ
そちらに顔を向けると、すぐ横に翔くんがいた

あ、そうだ…昨夜、抱き枕にされたんだった…
 
「大野さん、こんなに思われてんだからさ
観念して捕まってあげたら?」

「ニノちゃんも、観念して捕まってくれたしね〜」

「俺の事はどうでもいいんだよっ
今は大野さんの話」

「そうでした…」

「なぁ、智。翔くんの事、嫌いじゃないんだろ?」

嫌いじゃないさ…

嫌いじゃないから悩むんだよ

俺でいいのか?って…

翔くんは、思い出の中の俺を好きでいてくれてるだけなんじゃないのか?

だって、俺…翔くんに好きになって貰えるほど、良いところなんてないし…

「…おはよ」

翔くんがモゾっと動き、目を覚ました

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