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take a breather

第24章 むかえに行くよ

俺も一緒に花冠を作り、それを見せながら説明する

「よしっ、完成!」

「出来たぁー!」

「上手に出来たね
絶対喜んでくれるよ、お友達」

「お友達じゃなくて、彼女だよ」

「「へっ⁉︎」」

彼女?この歳で?
だってどう見たって、小学校の1、2年生だぞ?

「なんで驚いてんの?」

「お前、いくつだ?」

「ん?7歳だけど?」

「…だよな」

俺の読みは外れてない

それなのに『彼女』…

ませてんな、今時の子って…

「しあわせにしてあげてね?彼女さん」

「うんっ。ありがとう
じゃあ、行くね?早く見せてあげたいから」

「あっ、待って」

立ち上がったその子を、翔くんが呼び止める

翔くんは鞄の中から、手帳らしき物を取り出し
更にその間から、四つ葉のクローバーを取り出した

「これも一緒に、その子にあげて?
しあわせになれる四つ葉のクローバーだから」

「えっ⁉︎いいの⁈」

「うん。僕はもう、そのクローバーからしあわせ貰ったから…
すっごく効き目あるんだよ?」

「ありがとう!」

翔くんが差し出すと
男の子は目をキラキラさせて、クローバーを受け取った

「じゃあね」

「ばいばーい」

男の子は、元気いっぱいに走り出した

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