take a breather
第25章 P・A・R・A・D・O・X
「俺の絵を気に入ってくれた櫻井くんを、いつでもご招待してあげる
ここに座ると、丁度いい感じにあの絵が観えるんだよ?」
部屋の中程に置いてある、小さめのふたり掛け用ソファー
そこに先生が座ると、ポンポンと横を叩いた
「ここ座ってごらん?」
「あ、りがとうございます…」
ソファーの前に立つと、大野先生の手が目に入った
指が細く、繊細で綺麗な手…
この手が、あの絵たちを生み出しているんだ
「櫻井くん?座ったら?」
「あっ、はいっ…」
先生が描いた絵と同じように、先生の手にも見惚れてしまった
こんな事初めてだ…
誰かの体の一部に見惚れるなんて
女子相手でさえ、そんな事した事ないよ…
「失礼します…」
「どうぞどうぞ」
大野先生の隣に、ゆっくりと腰を下ろす
小さいソファーだから、距離が近い…
「どう?」
耳元で聞こえる問い…
絵に対する感想を聞かれてるんだとは思うんだ…
でも、今の俺は何故だかわからないけど、ドキドキして
あの絵でさえ、まともに目に入って来ない
「いい、と思います…」
何が『いい』のかわからない…
あの絵?それとも…
とにかく俺は、入学初日にして、お気に入りの場所を手に入れた
ここに座ると、丁度いい感じにあの絵が観えるんだよ?」
部屋の中程に置いてある、小さめのふたり掛け用ソファー
そこに先生が座ると、ポンポンと横を叩いた
「ここ座ってごらん?」
「あ、りがとうございます…」
ソファーの前に立つと、大野先生の手が目に入った
指が細く、繊細で綺麗な手…
この手が、あの絵たちを生み出しているんだ
「櫻井くん?座ったら?」
「あっ、はいっ…」
先生が描いた絵と同じように、先生の手にも見惚れてしまった
こんな事初めてだ…
誰かの体の一部に見惚れるなんて
女子相手でさえ、そんな事した事ないよ…
「失礼します…」
「どうぞどうぞ」
大野先生の隣に、ゆっくりと腰を下ろす
小さいソファーだから、距離が近い…
「どう?」
耳元で聞こえる問い…
絵に対する感想を聞かれてるんだとは思うんだ…
でも、今の俺は何故だかわからないけど、ドキドキして
あの絵でさえ、まともに目に入って来ない
「いい、と思います…」
何が『いい』のかわからない…
あの絵?それとも…
とにかく俺は、入学初日にして、お気に入りの場所を手に入れた