テキストサイズ

take a breather

第25章 P・A・R・A・D・O・X

コーヒーを飲みながら、先生と絵を鑑賞

「櫻井くんは、毎日ここに来てるけど
飽きないの?」

「飽きませんよ?
先生の絵は何度観ても素敵だし、先生お手製の旨いコーヒーもタダで飲めるんですから」

「え?もしかして、コーヒー目的?」

「ははっ、かもしれませんね?」

「う〜ん…コーヒーを褒めて貰えるのは嬉しいけど、コーヒー目的かぁ…」

「冗談ですよ。俺はこの場所が好きだから来るんです
もしかして、毎日来られるのは迷惑ですか?」

いつでも来ていいとは言ってくれたけど、毎日だもんな…

先生もここまでとは、思ってなかっただろう

「いや、全然。一緒にお茶する相手が出来て良かったよ」

「その言い方だと
俺、先生の茶飲み友達みたいですね?」

「ふふっ、そう。このコーヒー飲めるのは櫻井くんだけの特権」

俺だけの特権…なんか擽ったい言葉だな。少し照れる

「他の生徒たちにバレたら殺されそう」

「え?なんで?」

「先生知らないんですか?
生徒に絶大な人気があるの」

「誰が?」

「大野先生です」

「え〜?そんな事ないよ」

いつものふにゃっとした笑顔を見せる

照れ隠し?いや、そうでもなさそう

本気で知らないんだ、自分が生徒から人気があるって事

「失礼しますよー!大野先生
そろそろ会議の時間…
あれ?お客さん?」

背後から聞こえた声に振り返ると、そこにいたのは数学科の二宮先生だった

ストーリーメニュー

TOPTOPへ