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take a breather

第3章 このままもっと

「思い出した?」

「…思い出した…」

「良かった…俺が無断で奪ったって誤解されたくないからさ」

「でも、今でもしてるのは無断じゃないの?」

「眠ってる人に許可は取れないだろ?
しかも過去に何度もしてんだぞ?
許可なんていらなくね?」

さも当然、といった感じ…細かい事に拘らない智くんらしい

「じゃあ、なんで昨夜恥ずかしそうにしてたの?」

「昨夜?」

「ほら、外歩いてる時…唇触れたでしょ?」

「あ〜、あれはキスに照れたんじゃなくて、翔くんが『大好き』って言ってくれたから」

「え、そっち?」

「うん。だって初めて言ってくれただろ?しかも急に言われて照れちゃった」

なんだ、そっちだったのか…

「さて、メシの支度するか」

智くんは俺にチュッとキスするとベッドから下りた

「うんっ」



リビングにふたりの姿はなかった

「まだ寝てんのかな?」

「あ〜、アイツら寝たの遅いから」

「え?そうなの?俺たちより先に寝たよね?」

俺たちが風呂に入った時には既にベッドに入ってたはず…

「たぶん…俺たちに煽られたのかな…」

「煽られた?」

何を煽った?だって俺たちだってあの後はベッドに…

「え!まさかっ!」

「そのまさか?翔くんが寝た後、ニノの声が聞こえたから」

俺の声がアイツらに聞かれてたってこと?
恥ずっ!

「マジかぁ…」

「まぁ、俺もニノの声聞いちゃったし、お互い様だよな」

なんて呑気な…聞かれたのは俺なんだけど…

アイツらに合わす顔がない


智くんとふたりでコーヒーを飲んでると、潤がリビングに姿を見せた

「おはよ…」

「おはよ、潤。ニノは?」

「まだ起きて来られないと思う
寝たの5時近かったから」

「お前、スゲェな…」

「智だって相当だろ…
初めてなのにあんなに派手に啼かせやがって
お陰で目が覚めちまったよ」

…やっぱり聞かれてたんだ

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