
take a breather
第25章 P・A・R・A・D・O・X
その後、二宮先生の助言?を受けて、美術室に入る時は周りを気にして入るようになった
廊下を歩いている人がいないか確認
『よっし!大丈夫!』
そっとドアを開け、迅速に体を滑り込ませる
こうして、誰にも見つからずに入り込んだと思ったのに…
「よっ!櫻井」
「……」
あの日から、二宮先生が準備室にいることが増えた
俺の指定席だったのに…
俺の特権のコーヒーだったのに…
当たり前のように、二宮先生はソコに座ってコーヒーを飲んでいるんだ
「いらっしゃい、櫻井くん」
「…こんにちは、大野先生」
唯一の救いは、大野先生が二宮先生と一緒にソファーに座っていないって事…
「さてと、俺はそろそろおいとましようかな
櫻井がご機嫌斜めみたいだし?」
「…そんな事ないですけど」
俺の好きな空間が、少し変わってしまった気がするだけ
「んじゃ、行くな。
コーヒーご馳走さん、また飲ませてな?」
「いつも勝手に飲むクセに『また飲ませて』もないだろ…」
苦笑いの大野先生
なんだ…大野先生が入れてあげてる訳じゃないのか
二宮先生が勝手に飲んでるだけなんだ…
「ははっ、でした…
じゃあ、またな?櫻井」
「はい。さようなら」
「ん〜、残念。俺には『また明日』って言ってくれないんだ」
明日?数学の授業ないよな?
それとも、また明日もここに来てるって事なんだろうか…
いつも俺と入れ違いにここから出て行くんだから、そんな予告いらないのに
廊下を歩いている人がいないか確認
『よっし!大丈夫!』
そっとドアを開け、迅速に体を滑り込ませる
こうして、誰にも見つからずに入り込んだと思ったのに…
「よっ!櫻井」
「……」
あの日から、二宮先生が準備室にいることが増えた
俺の指定席だったのに…
俺の特権のコーヒーだったのに…
当たり前のように、二宮先生はソコに座ってコーヒーを飲んでいるんだ
「いらっしゃい、櫻井くん」
「…こんにちは、大野先生」
唯一の救いは、大野先生が二宮先生と一緒にソファーに座っていないって事…
「さてと、俺はそろそろおいとましようかな
櫻井がご機嫌斜めみたいだし?」
「…そんな事ないですけど」
俺の好きな空間が、少し変わってしまった気がするだけ
「んじゃ、行くな。
コーヒーご馳走さん、また飲ませてな?」
「いつも勝手に飲むクセに『また飲ませて』もないだろ…」
苦笑いの大野先生
なんだ…大野先生が入れてあげてる訳じゃないのか
二宮先生が勝手に飲んでるだけなんだ…
「ははっ、でした…
じゃあ、またな?櫻井」
「はい。さようなら」
「ん〜、残念。俺には『また明日』って言ってくれないんだ」
明日?数学の授業ないよな?
それとも、また明日もここに来てるって事なんだろうか…
いつも俺と入れ違いにここから出て行くんだから、そんな予告いらないのに
