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take a breather

第4章 途中下車

俺と大野さんの出会いは今から2年前、俺が新人研修が終わって間もなくの頃

まだ大した仕事が与えられられてない俺は、一人で資料室の整理を任された。

大量の書類をファイリングし、そのファイルを収納ボックスに詰めた

一気に片してしまおうと、ボックスを二つ重ね、頭上の棚に置こうとした時
無理に角度をつけて持ち上げたせいか、上のボックスが滑り落ちそうになった

『あぶなっ…』

両手を塞がれた状態の俺は、そのボックスが頭の上に落ちてくる事を覚悟し、目を閉じた。

なのにいつまでも衝撃は起こらず、そっと目を開き上を見ると、俺の腕とは違う腕が落ちそうになってるボックスを押さえてた。

「無茶するなよ…」

すぐ耳元で聴こえる優しい声…

俺の背後に立っていたその人は持っていたボックスを棚に置いた

「早く終わらせたいのはわかるけど、これで落としてたら余計に時間かかるだろ?
効率良く仕事するなら、出来ることと出来ないことを正しく見極めないと」

俺の手からボックスを取るとまた棚へ置く

「はい…すみません…」

そんな簡単なことも考えることが出来ないなんて…
俯く俺の頭に、その人の手が乗った。

「まぁ、怪我が無くて良かったよ
その綺麗な顔に傷なんか付けたら勿体ないからな」

そう言って俺の頭をクシャッと撫でる

そおっと顔を上げ、その人の顔を見ると優しい微笑みを浮かべていた

それが大野さんとの初めての出会い。

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