
take a breather
第25章 P・A・R・A・D・O・X
「ごめんね、すぐに出せるの麦茶しかなくて」
「いえ、十分ですよ」
「ちょっと待っててね。絵、持って来るから」
早速見せて貰えるんだ
超ドキドキ…あの絵はどんな風に仕上がったんだろう
それに、大野先生が決心した事が、絵を見ればわかるのかな…
2年以上掛けて決めた思い
それを俺が知っていいのだろうか
他の人には見せないみたいだし
色々な意味で緊張する…
緊張から来る喉の渇きを麦茶で潤していると、大野先生がキャンバスを持って現れた
「お待たせ」
キャンバスには、布が被せられていて
まだ絵を見る事は出来ない
目の前のテーブルに置かれたキャンバス
大野先生が布をゆっくりと外した
そこに現れた絵は…
「これって…」
あの爽やかな青やピンクで彩られたキャンバスの真ん中に手の甲が描かれていた
この絵に秘められた決意は、一体なに?
「これはね、俺の右手なんだよ?」
「はぁ…」
その説明だけでは真意が読めない
「ちょっと待ってね
これだけじゃ完成じゃないんだ」
大野先生が立ち上がり、もう一度部屋から出て行く
戻ってきた大野先生の手にはスケッチブック
表紙には、俺の名前が書かれてた
「それって俺の…?」
「うん、そう…
この絵は、櫻井くんの絵と一緒になって完成するんだ」
どういう事?俺、そんな絵描いたっけ?
大野先生はペラペラとページをめくり、開いたスケッチブックをキャンバスの横に置いた
「あっ!」
大野先生が開いたページには、一昨年、苦労してデッサンした俺の左手が…
大野先生が赤いペンを手にした
「この絵はね、こうして完成なんだよ?」
ピタリと合わせられたキャンバスとスケッチブック
俺の左手小指から描かれ途切れた赤い糸が
大野先生の持つ赤いペンによって、大野先生の右手小指に繋がれた
「いえ、十分ですよ」
「ちょっと待っててね。絵、持って来るから」
早速見せて貰えるんだ
超ドキドキ…あの絵はどんな風に仕上がったんだろう
それに、大野先生が決心した事が、絵を見ればわかるのかな…
2年以上掛けて決めた思い
それを俺が知っていいのだろうか
他の人には見せないみたいだし
色々な意味で緊張する…
緊張から来る喉の渇きを麦茶で潤していると、大野先生がキャンバスを持って現れた
「お待たせ」
キャンバスには、布が被せられていて
まだ絵を見る事は出来ない
目の前のテーブルに置かれたキャンバス
大野先生が布をゆっくりと外した
そこに現れた絵は…
「これって…」
あの爽やかな青やピンクで彩られたキャンバスの真ん中に手の甲が描かれていた
この絵に秘められた決意は、一体なに?
「これはね、俺の右手なんだよ?」
「はぁ…」
その説明だけでは真意が読めない
「ちょっと待ってね
これだけじゃ完成じゃないんだ」
大野先生が立ち上がり、もう一度部屋から出て行く
戻ってきた大野先生の手にはスケッチブック
表紙には、俺の名前が書かれてた
「それって俺の…?」
「うん、そう…
この絵は、櫻井くんの絵と一緒になって完成するんだ」
どういう事?俺、そんな絵描いたっけ?
大野先生はペラペラとページをめくり、開いたスケッチブックをキャンバスの横に置いた
「あっ!」
大野先生が開いたページには、一昨年、苦労してデッサンした俺の左手が…
大野先生が赤いペンを手にした
「この絵はね、こうして完成なんだよ?」
ピタリと合わせられたキャンバスとスケッチブック
俺の左手小指から描かれ途切れた赤い糸が
大野先生の持つ赤いペンによって、大野先生の右手小指に繋がれた
