
take a breather
第25章 P・A・R・A・D・O・X
「この絵はね
櫻井くんをイメージして描き始めた絵なんだ」
先生は愛しそうに絵を見てキャンバスに触れたあと、俺を見つめ優しく微笑む
「櫻井くんの爽やかさを表す青と、出会った時の春をイメージさせるピンク
まさに『アオハル』だね
ピンクの色が段々濃くなっていったのは、櫻井くんが色づき始めたから…
恋を知ったからだよ?
だから、この絵が完成する時は、櫻井くんの恋が実る時…」
「俺の恋は、実っていいんですか?
卒業までダメなんじゃ…」
「本当はダメなんだろうけど
二宮先生がね、煩いんだよ
『櫻井を受験勉強に集中させたいから、早く何とかしろ』って…
想いを伝えて、櫻井くんを安心させてやれって」
「二宮先生が?」
「そう…『もたもたしてないで、とっとと行動に移せ』って、人の気も知らないでさ…
それが出来るなら、とっくにそうしてるって言ったら
『櫻井なら大丈夫』って言うんだよ
卒業まで上手くやれるって…
『担任の言葉を信じろ』って言われて、信じる事にした」
「二宮先生、やっぱり知ってたんですね
俺の気持ち…」
知られてるとは思ってたけど、大野先生とそんな話までしてたんだ
「あぁ…ふたりでお茶してる所を見て、すぐに気付いたらしい…」
まだ俺が自分の想いに気付いてない頃だ
あの頃は、純粋に大野先生の絵が好きなんだと思ってた
だから、毎日大野先生の絵を観に行くのが楽しみなんだと思っていたけど、違ったんだな…
既に、大野先生本人に惹かれ始まってたんだ
それを二宮先生は俺より先に気が付いた
櫻井くんをイメージして描き始めた絵なんだ」
先生は愛しそうに絵を見てキャンバスに触れたあと、俺を見つめ優しく微笑む
「櫻井くんの爽やかさを表す青と、出会った時の春をイメージさせるピンク
まさに『アオハル』だね
ピンクの色が段々濃くなっていったのは、櫻井くんが色づき始めたから…
恋を知ったからだよ?
だから、この絵が完成する時は、櫻井くんの恋が実る時…」
「俺の恋は、実っていいんですか?
卒業までダメなんじゃ…」
「本当はダメなんだろうけど
二宮先生がね、煩いんだよ
『櫻井を受験勉強に集中させたいから、早く何とかしろ』って…
想いを伝えて、櫻井くんを安心させてやれって」
「二宮先生が?」
「そう…『もたもたしてないで、とっとと行動に移せ』って、人の気も知らないでさ…
それが出来るなら、とっくにそうしてるって言ったら
『櫻井なら大丈夫』って言うんだよ
卒業まで上手くやれるって…
『担任の言葉を信じろ』って言われて、信じる事にした」
「二宮先生、やっぱり知ってたんですね
俺の気持ち…」
知られてるとは思ってたけど、大野先生とそんな話までしてたんだ
「あぁ…ふたりでお茶してる所を見て、すぐに気付いたらしい…」
まだ俺が自分の想いに気付いてない頃だ
あの頃は、純粋に大野先生の絵が好きなんだと思ってた
だから、毎日大野先生の絵を観に行くのが楽しみなんだと思っていたけど、違ったんだな…
既に、大野先生本人に惹かれ始まってたんだ
それを二宮先生は俺より先に気が付いた
