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take a breather

第26章 君のために僕がいる

子供の頃にアメリカで生活していた翔は、通訳を全く必要とせずに社員たちと会話をこなす

俺も、話すのは自信ないけど
聞き取りだけは完璧に出来るようになったから、話の内容は理解出来る

社員とフランクに話す所が翔のいい所なのはわかっている

わかってはいるけど
アメリカ人というのは、あちら側もフランクに来るから
上司とはいえ、コミュニケーションが…

「あっ!」

「どうした?大野」

挨拶のハグと同時にチークキス…

挨拶だとわかっていても思わず声が出てしまい、翔に『何事か?』みたいな顔で見られた

「あ、いえ…なんでもないです」

翔もこちらでの経験があるから、至って普通の挨拶として受け止めてる

俺も早く慣れないと、心臓がいくつあっても足りなくなりそうだ…

上流社会ほど、こういった事がありそうだもんな

これから、この地で暮らしていくんだ
郷に入っては郷に従え、ってな


「はぁ…疲れた…」

会社からホテルに戻り、ソファーにドカッと座った

「ごめんね、思ったよりも長時間滞在になって…
視察は今日一日しか出来ないから
出来るだけ多くの人の顔を知っておきたかったんだ」

「イヤ、それはわかるからしょうがないんだけど
俺には、まだアメリカンスタイルの挨拶が慣れないっていうか…」

あの後も、何人かからハグ&キスの挨拶を貰う翔

もっとエスカレートすると、肩に手を回すように会話をする人も現れた

日本では、まずあり得ないよな…
いくら年下だからといって、上司の肩に腕を回すなんて

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