テキストサイズ

take a breather

第26章 君のために僕がいる

「あ〜、挨拶ね?
日本だといきなり握手とかってしないもんね
智くん、慣れなくて大変だったでしょ?」

「イヤ、俺の事じゃなくて、翔の事だよ」

「僕?なんで?何かおかしな事した?僕」

俺の隣に腰を下ろし首を傾げる翔
そんな翔の腕を掴み、抱き寄せた

「智くん?」

「握手はわかってたんだけど
ハグとチークキスまでするなんて思ってなかったから」

「確かにね〜」

腕の中にいる翔も少し疑問形?
体を少し離し、翔の顔を見る

「あれって普通なんじゃないの?」

「みんながみんなする挨拶ではないよ?
親しみを込めた挨拶だから
身内とか、仲の良い仲間とはするけどね
そういった意味では、社員から好意的に迎えられたのかな?って思ってた」

なぬっ⁈親しみを込めた挨拶⁈

そう言われてみれば、俺は誰一人ともその挨拶を交わしてない、握手だけで終わった

好意的って、まさかソッチ?

アメリカにいた頃の翔は、男からも好意を寄せられてたって言ってたよな

今の翔はどうなんだ?

俺からすれば最高に可愛いくて魅力的だけど
他の奴らから見ても、そう見えるのか?

日本にも怪しい奴はいた

松潤だって、いまだに翔を可愛いと言う
社員の中にも、若干尊敬が行き過ぎてんじゃねぇの?ってくらい熱い眼差しを送ってくる奴はいた

気を付けて見てたけど、結局行動には移して来なかったから安心してたんだけど

こっちの奴らはわからない

学生の頃でさえ、積極的にアプローチしてくるんだ
大人になったらもっと?

「智くん、どうしたの?黙り込んで」

翔が不安そうな目で俺を見る

「なんでもないよ?
こっちに来たら、俺たちもあの挨拶に変えようか?」

「ううん、今までの方がいいな」

「ふふっ、だな…お疲れさま、翔」

「お疲れさま、智くん」

お互いを労い、唇にキスをした

ストーリーメニュー

TOPTOPへ