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take a breather

第26章 君のために僕がいる

翌日、日本に戻る為空港に向かうと
トーマが見送りに来ていた

「あれ?トーマ?」

「ショウ、もう帰ってしまうんだね
もっとゆっくり話がしたかったのに…」

トーマが翔の手を両手でしっかりと握る

「ん?」

トーマが翔の手に視線を落とし、そして俺の手を見る

「…揃いのリング…
もしかして、ショウ…結婚してるのか⁈」

「ううん、してないよ?」

「だよな…」

トーマがホッと息を吐いた

「ショウ。日本じゃ、まだ同性との結婚は難しいんだろ?
アメリカに来たら俺と付き合えよ
そんで、ソイツといつまでもそんな曖昧な関係続けてないで、俺と結婚しよう?」

恋人の前で結婚申し込むって、どんだけの自信家だよ…

しかも日本語って、絶対俺にわかるようにじゃん
そんな心違いいただかなくても、ヒアリングは出来るから

「ごめんね、トーマ
気持ちは嬉しいんだけど、僕は智くんじゃなきゃ駄目だから」

「なんでだよ。ソイツより俺の方がショウに相応し…」

「トーマ。智くんの何を知ってるの?」

トーマの言葉を遮って翔が強めに言い返す
人の言葉を最後まで聞かないなんて、翔にしては珍しい行動

「何って、ショウの秘書なんだろ?
それってショウよりも劣ってるって事じゃないか」

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