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take a breather

第26章 君のために僕がいる

ここはふたりの住む家
翔は、ここでの生活は、なんでも平等にやりたがる

洗濯も掃除も炊事も…

翔としては、プライベート空間だから、仕事の関係性を持ち込みたくないって事らしいけど
俺としては、仕事を持ち込んでるつもりはなく
ただ、外で頑張ってる翔を、ウチでは甘やかしてやりたいだけなんだ

それでも翔がそう望むなら、望みのままに…
翔に変な気遣いさせたくないから

「ごめんな?じゃあさ、コーヒー淹れてくれる?
起きてからまだ何も口にしてないんだ」

「うんっ。淹れてくるね」

頼み事をすれば、嬉しそうに返事をする

「っと、その前に…」

「えっ?」

立ち上がろうとする翔の腕を掴み、引き寄せキスをした

「おはようのキス、まだだった」

ニコッと笑えば、恥ずかしそうに頬を染める

「…うん」

夜はあんなに乱れるのに、未だに見せるウブな反応

翔がいくつになっても可愛いのは、こういう所なんだろうな


翔がコーヒーを淹れてくれてる間に、荷物の片付けは終了
元々そんなに大荷物じゃなかったから、翔とふたりでやる程でもない
だからひとりでやってしまったというのもあるんだけどね

「智くん、コーヒー出来たよ」

翔がマグカップをふたつ持って、リビングに戻ってきた

「ん、ありがとう
こっちも丁度終わった」

ソファーに移動すると、翔も隣に座りカップをテーブルに置く

「お疲れさま」

笑顔と共にくれるその一言が、俺には何よりも特効薬

翔がいる限り、俺は疲れを溜め込む事はないんじゃないかとさえ思ってしまう

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