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take a breather

第26章 君のために僕がいる

テーブルを囲んで4人で座り、ビールの入ったグラスを掲げる

「「「「乾杯」」」」

カチンとグラスを合わせ、そのままグビグビとビールを流し込んだ

「うまっ!」

「そう言えば、ビール飲むの久しぶりだね?」

隣に座る翔が小首を傾げて俺を見る

「だな。アメリカ行ってた時は飲んでないし
帰ってきてからも、まだ飲んでない」

「なに?そんなに飲んでないの⁈
あっちで忙しかった?」

ニノが驚いたように翔に聞く

「ううん。そんなでもなかったよ?
結構のんびりしてた」

よくよく記憶を辿ると、ビールを飲む機会がなかったのは
アメリカ滞在中から昨夜まで、毎晩翔を抱きまくってたからだ

食事の時はシャンパンやワインを飲んだけど
部屋に戻ってからは、すぐにベッドに直行してたな…

「お洒落なバーで良い酒飲んでたんだろ?」

「…ちげぇし」

口が裂けても本当の事は言えない…

付き合って何年も経ってるのに、毎晩サカッてましたなんて…
知れたら絶対揶揄われる

「のんびりしてたのに飲まなかったの?
なら何してたの?」

ニノが翔に尋ねると、翔も3日間の記憶を呼び戻したのか、顔が紅く染まった

「あ…あ、れ?なに、して、たっけ…?」

辿々しい喋り…

そんな態度取ったら、このふたりにはバレるって…

「ふ〜ん…そう言う事ね?」

「は〜ん…随分とお楽しみだった訳だ?」

やっぱバレるよな…
ニヤニヤしたふたりからの視線が痛い

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