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take a breather

第27章 Turning Up

「はっ?なんで僕が女の子を旅行に誘うの?
そんなの無理だって、ニノもわかってるでしょ?」

またまた苦笑いするニノ

「俺はわかってても、この店内にいる人たちは知らないでしょうよ…
智の恋愛対象が男だって事は」

そう…僕が告白して、お友達から始めた相手は男の人

僕は生まれてからこの方、女の人に恋をした事がない同性愛者だ

ニノはその事を最初に打ち明けた相手
僕の幼なじみで、そしてニノもまた、僕と同じように同性にしか恋愛感情を持てない人間

でも、だからといって、僕とニノが付き合う事はない
何故ならふたりとも根っからのネコ…男の人から愛されたい男だから

「あ〜、人生最悪の誕生日迎えそう…」

誕生日まで残り1か月を切ってるのに…

暗い未来しか見えず、テーブルの上に突っ伏した

「ならさ、いい所連れてってあげるよ」

「いい所?」

顔を上げ、テーブルに顎をつけたままニノを見上げる

「そう。俺たちみたいな人間をしあわせにしてくれる所」

「どこ…それ…」

そんな場所あるとは思えないけど、藁にもすがる思いでニノに聞く

「ホストクラブ」

「ホストクラブ⁈
ぜーったい無理!
僕の好みのタイプとは真逆の人たちだよ!」

「行ってみなくちゃわからないだろ?」

「行かなくてもわかる!
そもそもホストは、女性を喜ばせるのが仕事だろ?
男の僕たちなんて相手にしてくれる訳ないじゃん!」

「それがあるんだよ
男性客専用のホストクラブが」

「う、そ…」

「ホント。試しに行ってみなって
もしかすると、智の好みのタイプがいるかもよ?」

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