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take a breather

第27章 Turning Up

「やだっ!行かないってば!」

カフェを出て、引きずられるようにしてニノにホストクラブの店の前まで連れてこられた

「往生際が悪いなぁ…
試しにって言ってるじゃん
別にここで本当に彼氏を探せって言ってる訳じゃないよ
イイオトコたちに、傷を癒して貰えって言ってるの」

「それでも!
僕はギラギラしたオトコは嫌いなの!
傷なんて癒して貰えないよ!」

「アンタ、固定観念強すぎ…
ホストだってみんながみんなギラギラしてる訳じゃないから」

「あれ?誰かと思えば和也さんじゃないですか
大きな声が聞こえるから、出てきちゃいましたよ」

店のドアが開き、顔を出したのはやっぱりギラギラしたオトコ…

「あ、ごめんね、ケンティー
友達連れてきたんだけどさ、なかなか入ろうとしてくれなくて」

ニノがそう言うと、そのオトコは僕の前に立ち、ニコッと微笑む

「とても可愛らしい方ですね
ようこそ、我がホストクラブ『journey』へ」

ほら、ギラギラしてんじゃん…
微笑みがギラギラしてるって、相当だと思うんだけど

それにしても…

「ニノ、名前覚えられてたけど、何回か来てるの?」

「うん。半年くらい前から頻繁に来てる
智の事も誘いたかったんだけど、アンタそれどころじゃなさそうだったから」

僕はニノと違って一途なんだ
こんなチャラチャラしたオトコたちがいるような場所、好きな人がいたら間違っても来ない

「さっ、行くよ」

「えっ…」

「いらっしゃいませ
さぁ、どうぞ中へ…」

「えぇっ」

ニノとケンティーに両腕を組まれ、店の中へと連れ込まれた

「和也さん、ご指名は潤さんでよろしいですか?」

「うん、お願いね」

「では、こちらのお席でお待ちください
すぐに呼んでまいります」

仕方なく案内された席に座ったけど
キラキラした店内…
僕には落ち着かない場所だ

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