テキストサイズ

take a breather

第27章 Turning Up

「和、そちらの方も紹介してくれる?」

潤くんの視線が僕を捉える

「あ、うん。智って言ってね、俺の幼なじみで、一番の友達」

「へぇ〜、類は友を呼ぶって言うけど本当なんだなぁ
智くんもこっち側の人だろ?」

「そうなんだよ、わかる?」

「そりゃあね。この店はそういった方たちが多くいらっしゃる場所だから」

見ただけでわかっちゃうんだ、流石プロ?

僕は、ある程度付き合いがあれば、なんとなくそうかなぁ、とか思うけど
初対面では判断つかない

「今日はね、智の失恋パーティーなの
だから優しくしてあげてね?」

「ニっ、ニノっ!」

はじめましての人の前で、人の失恋話なんてするなよ、恥ずかしいじゃん…

それに翔くんにも知られちゃう
僕が失恋したばかりだって…

「そうか…よしっ!智くん
智くんの好みの奴を席につけるから、遠慮なく言ってくれ」

「いえっ、大丈夫です
それに失恋って言っても、そんなに傷ついてないんで」

「え〜、さっきはかなり落ち込んでたじゃんよぉ」

「もう大丈夫なのっ
僕、立ち直るの早いから
失恋のひとつやふたつした所で、すぐに忘れちゃう
哀しい思い出なんて引きずってたら、しあわせ逃しちゃうでしょ?」

「強いんですね、智さんって…」

ポツリと呟く翔くんが、哀しそうな微笑みを浮かべてた

何か訳ありな感じ?

そうだよね…翔くんみたいな人がこんな所で、って言ったら失礼かもしれないけど
翔くんにココは、場違いな気がする

ストーリーメニュー

TOPTOPへ