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take a breather

第4章 途中下車

「おーい、大丈夫か?相葉」

前を歩く大野さんがこちらを振り返る

「大丈夫です…いつものことなんで…」

大丈夫と言いつつ、いつもより低いトーン

「厄介な奴に惚れたよなぁ…
お前なら簡単に恋人くらい探せるだろ」

惚れた?やっぱり雅紀は二宮さんのこと…

「無理ですよぉ…一目惚れなんです
超どストライクなんです
あんな人見つけちゃったら他の人に行けません」

「一目惚れかぁ…それじゃあ仕方ないか
でも性格がなぁ…」

「性格も超可愛いです」

「あの性格が可愛い?お前変わってんなぁ」

一目惚れする気持ちは俺もわかる
俺も一目惚れに近いし…
でも、同時に優しい性格に惚れたとなると一目惚れとは言わない?

「そういえば大野さんって恋人いるんですか?
その手の話し聞いたことないですけど」

雅紀の突然の質問にドキッとする
俺もずっと気になってはいた
でも答えを知るのが怖くて、今まで誰にも聞けなかった

これで大野さんに恋人がいるってわかったら、さっきの雅紀以上に肩を落とすことになるかも…

「俺ぇ?いない、いない…
ここ何年も独りもんだよ」

ちょっと安心…
だからといって俺が大野さんに気持ちを伝えることなんて出来ないんだけどね

「なんでですか。大野さんこそすぐに彼女作れそうなのに」

「ん〜。俺、理想が高いんだよなぁ…
だからさ、なかなか難しいんだよ」

苦笑いする大野さんを見て胸が痛む…

本人だってこんなに素敵なのに理想が高いなんて…
大野さんのお眼鏡にかなう人はとても素敵な人なんだろうな。

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