無料で楽しめるちょっと大人のケータイ小説

もちろん、翔と手を繋いだことはある

でもそれは人目の付かない所…
夜、人気のない所とか、家の中とか

こんな真っ昼間、大勢の人が行き交う中で、堂々と手を繋いで歩くことなんて初めてだ

隣を歩く翔を見ると気配に気付いたのか、翔もこちらを見る

微笑みながら『ん？』と小首を傾げる仕草がめっちゃ可愛い

「あのさ…」

「はい？」

「そのパーカー、前から持ってたっけ？」

「いいえ、持ってませんよ？雅紀に借りました」

だよな…いつも翔が着る服とはタイプが違う

「可愛いな…そういう服装も…」

「ありがとうございます」

嬉しそうにハニカム翔

「で？なんでそんな服装？」

「智さんと手を繋いでデートする為…
絵梨ちゃんと出掛けた時に言いましたよね
手を繋げて羨ましいって
この格好なら智さんと手を繋いでもおかしくないでしょ？」

今の俺たちは、誰から見ても男女の恋人同士にしか見えないだろうけど…

「その格好するのに抵抗はなかったのか？」

常識人の翔が女装まがいのことをするなんて…

「最初はちょっと…
自分が女の子に変装するなんて無理だと思ったし…
でも、雅紀と二宮さんが『十分女の子に見える』って言ってくれたので、大丈夫かな、と思って」

「え？相葉とニノも知ってるのか？」

「もちろん知ってますよ？
この服、雅紀に借りたって言ったじゃないですか
そもそもこの案をくれたのも雅紀です」

「へ…」

「俺と違って二宮さんは小柄だし、肌も綺麗で色白で、顔も可愛いじゃないですか
雅紀の服を着るだけで女の子っぽく見えるんですって
だから外でも気にせず手を繋いでるって」

「はっ⁉︎ニノが？」

意外過ぎる…あいつがそんな事するなんて…