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take a breather

第28章 Welcome to our party

「雅紀と二宮さんが手を繋いでデートしてるって聞いたら自分もしてみたいな、って
前々から思っていたのもあったし…
だから今日は、勇気を出して頑張ってみました」

照れ臭そうに笑う翔が愛しくて
繋いでいた手を指を絡ませ、しっかりと握り直した

「うん。ありがとう
俺も嬉しいよ?
翔と手を繋げることも
翔が俺と手を繋ぐ為に頑張ってくれたことも」

そう伝えると、嬉しそうにニコッと笑った
本当に、女の子みたいに可愛い笑顔だよ

これなら心置きなく、いつもとは違う距離感でのデートが楽しめそうだ

カフェに入って、お互いが頼んだ物を食べさせあったり
イチョウの葉が舞い散る中、腕を組んで微笑み合いながら歩いたり

男同士の姿では、なかなかやれないことをやってみた

「智さん、何か欲しい物ないですか?」

「欲しい物?」

「もうすぐ誕生日でしょ?
プレゼント、何がいいかわからなくて…
だから今日、一緒に買い物して選んで貰おうと考えてました」

「このデートがプレゼントでいいよ
こんなデートらしいデートを翔と出来てるんだから
それだけで十分プレゼントだよ」

「ダメです
そう言って貰えるのは嬉しいですけど
いつも俺ばかりが貰ってる…
だから何か贈らせてください」

「そうは言うけど…
今、特に欲しい物ないんだよなぁ」

「じゃあ、あちこち見て回りましょ?
何か気になる物があったら言ってくださいね?」

「おう」

気になる物、あるかなぁ…

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