無料で楽しめるちょっと大人のケータイ小説

「お疲れ様、翔ちゃん」

エプロン姿で出迎えてくれる智くん
この光景もだいぶ見慣れたな

「お邪魔します」

智くんと並んでリビングに入ると、既に食卓の用意がされている

「今、モツ煮温め直してるから」

「ありがと」

アウターを脱ぎ、智くんの後を追ってキッチンへ入る

智くんがおたまでかき混ぜてる鍋を、隣に立って覗く

「おっ！美味そうっ」

「もうあったまったから
翔ちゃん、器出してくれる？」

「うんっ」

勝手知ったる食器棚…
そこから、モツ煮を盛り付けるのに相応しそうな小鉢を手に取る

「智くん、これでいい？」

俺の手にした小鉢を見る智くん

「うん。ありがと」

智くんに小鉢を渡し、俺は次の行動へ

「アルコールは何飲むの？」

「とりあえずビールかな」

「オッケー」

智くんの答えを聞いて冷蔵庫を開ける
そこから缶ビールを2本取り出し、テーブルへ運ぶ

俺の後ろから智くんもやって来て
テーブルにモツ煮を置いて準備完了

「さ、食べよっか」

「うん」

智くんの声で、ビールのプルタブを開けた

「「お疲れさま」」

缶をコツンと合わせ、ビールをゴクゴクと流し込む

「ぷはっ」

「く〜っ、うんっめぇ」

「仕事終わりのビールはやっぱ美味いなぁ…」

「仕事終わりじゃなくても美味いけどな」

「ははっ、そうか。智くん、今日はオフだ
でも、家事も立派な仕事だよ？
だからやっぱり仕事終わりだよ」

「おー！そっか。さすが翔ちゃん！良いこと言う」

「そんな褒めないでよ
大した事言ってないのに照れるじゃん」

「んなことねぇよ
翔ちゃんは、いつも俺が考え付かないような事ばっか言う
だから、すげぇなぁ…って、いつも思ってるよ」

「それを言ったら俺だって…
智くんは、俺が思い付かないような事ばかりする
だから、凄いなぁ…って、いつも思ってるよ」

「そんな褒められたら照れる〜」

「ふふっ、でしょ？」

「ははっ、だな」

顔を見合わせ笑い合う

前から思ってたことけど
智くんといると、ほんと和むんだよなぁ…