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take a breather

第29章 TRAP

「ただいま」

「はやっ。まだ10分も経ってないよ?」

「ん、だって俺、すぐにのぼせちゃうもん」

「ははっ、そうだったね」

「さ、寝よっか」

「うん…あ、俺掛けるものだけ貸してくれればいいからね?」

「え、なんで?」

「布団用意するの大変でしょ?
ソファーで寝るから毛布か何か貸して?」

「えっ⁈ソファーで⁉︎
ダメだよ!翔ちゃんメチャクチャ寝相悪いんだから
夜中にソファーから落ちちゃうよ」

すっごい勢いで拒否された
まぁ、事実だから心配してくれてるんだろうけど

「大丈夫だよ。この高さなら落ちたって怪我しないし」

「ぜーったいダメっ!
万が一、翔ちゃんが怪我しちゃったら、俺がみんなに怒られる」

それもそっか…智くんに非がないとしても、智くんの家に泊まりに来て怪我をしたとなれば、智くんにも迷惑かけちゃうよな…

「わかったよ、智くん」

「じゃあ、行こっ」

「行くって、どこに?」

「もちろんベッドだけど?」

「ベッドって…智くんの家、ゲストルームあるの?」

そんなにお客さん来るのかな?
智くんが家に人を呼ぶって話、あまり聞いたことないけど

「んなトコねぇよ」

「えっ⁈じゃあベッドって?」

「俺のベッドだけど?」

「智くんの?」

智くんのベッドに俺が寝ちゃったら、智くんが寝る場所なくなるんじゃ…

「あの…智くんはどこに寝るの?」

「俺?ベッドだよ?他に寝るとこないし」

「はっ⁈ちょっと待って!
それって、一緒にベッドに寝るってこと?」

「そうだよ?俺のベッドでかいから、大人ふたりでも余裕で寝られるよ」

「スペース的には寝られるだろうけど…」

いい歳した男ふたりが、ひとつのベッドで一緒に寝るってどうなんだ?

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