テキストサイズ

take a breather

第29章 TRAP

「ほらっ、ブツブツ言ってないで行くよ」

「え…あっ…」

智くんに手を取られ、引っ張られるように寝室へと向かった

初めて入る智くんの寝室…

ベッドデカッ!

これならふたりで寝ても大丈夫そう、だけど…

「本当に一緒に寝るの?」

「寝る!どうしてもヤダって言うなら、俺がソファーに行くけど?」

智くんにそんなことさせられない
いつもいつも美味しいご飯を食べさせて貰ってる上に、ベッドまで占領するなんて

「いや、一緒に寝るよ」

フッと優しい微笑みを浮かべた智くん

「翔ちゃんならそう言ってくれると思った」

「え?」

「さ、寝よっか」

智くんがベッドに上がり、布団をめくってくれる

「うん…お邪魔します…」

智くんとなるべく距離を置いてベッドに上がった

「そんな端っこで寝たら、落ちちゃうよ?
もう少しこっちにおいでよ」

「ん…」

少しだけスペースを詰める

「じゃあ、電気消すね?」

智くんが電気のリモコンを手にしたから、ベッドに横になる

電気を消した智くんも、ベッドに横になりふたりで一枚の掛け布団を被った

智くんがこっちを見てる気配がしたから、智くんの方に顔を向けた

薄暗い部屋の中で、智くんがニコッと笑う

「おやすみ、翔ちゃん」

「おやすみ、智くん…」

挨拶をして目を閉じた

長年一緒に活動して来たメンバーだけど、こんな至近距離で寝たことあったっけ?

少なくとも、同じ布団で寝たことはないよな?

ちょっと気恥ずかしさはあったけど、いざ布団に入ってしまえば、それ程抵抗はない
てか、全然抵抗はない

智くんだからなのかな?
それとも他のメンバーでも、同じような状況で眠ることは出来るのか?

なんて、考えていたら、あっという間に眠りに落ちていた

ストーリーメニュー

TOPTOPへ