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take a breather

第4章 途中下車

自己嫌悪に陥り俯く俺…
その俺の顎に大野さんの手が添えられ、少し顔を上げさせられた

「手、よけてみ?」

心配そうに俺の事を見る大野さん
言われるがまま、おしぼりを唇から離した

「あ〜、少し赤くなってる
ヤケドしちゃったかな…」

そう言うと、大野さんは親指で俺の唇に触れた

「っ!だっ、大丈夫ですっ!」

「そう?ならいいんだけど…」

思ってもみない大野さんの行動に
俺の心臓は痛いくらいにドキドキと脈を打つ

「…櫻井の唇ってさ…」

大野さんの親指が俺の唇をすぅ〜っと撫でた

「プルプルしてて…柔らかくて…
キスしたら気持ち良ちよさそ」

その声がやたらと艶かしくて…
俺の心臓は破裂するんじゃないかと本気で思った

完全に固まってしまっていた俺に対し、ふっと笑って手を引いた大野さん

「ごめん…セクハラ、だな…」

セクハラだなんてとんでもない
大野さんが望んでくれるならキスのひとつやふたつ…って、望んでくれるわけないけど

飲みの席の軽いジョーク

大人なんだからそれくらいわかってるよ

「はい、ビール持ってきたよ
って、あれ?殆ど食ってないじゃん
櫻井さんって少食?」

潤さんがビールと麻婆豆腐をテーブルに置いた

「あ、いえ、そんなことないです
クリームコロッケが熱くて、冷ましてました」

「あぁ、なるほど。まだ出す予定だけど食べられそうかな?」

「はい、全然いけます」

「おー!よかった。じゃあ待っててね」

その後出された料理も全て美味しくて、シメのパスタまでしっかりいただいた。

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